日本刀を手に入れた後に、銃刀法違反にならないかという心配をする人もいるかもしれません。銃刀法というと、銃と刀という漢字が入っているために、どちらも持っているだけで法律違反になってしまうのではないかと思われるかもしれませんが、実際その扱いは両者で全く異なります。まず、銃砲に関しては「銃を持っている人間そのもの」が管理されている状態です。警視庁が管轄しており、銃砲を持つためには警察での講習・病院での診断書の提出などの手続きを踏む必要があります。手続きをクリアしたとしても、保管に関して厳しい規制があります。また、正当な理由がない限り、携帯することは禁止されています。一方で刀剣の方は、人間の方ではなく「刀剣そのもの」が管理の対象とされています。文部科学省の指示のもとにある、それぞれの都道府県の教育委員会が管轄しています。美術刀剣として許可をされて登録されている刀剣には、必ず登録証が付いています。この登録証さえあれば、どんな人であっても刀剣を所持することが許可されています。また、売買をすることや持ち運びをすること、保管場所についても規制を受けていません。逆に、この登録証がない刀剣に関しては、銃刀法違反の法律に抵触していまいます。とは言え、美術品としての刀剣であってもあくまで刃物と言える物です。また、全ての人が日本刀を愛好するわけではなく、刀自体を怖がる人ももちろんいるでしょう。美術刀剣の用途は、「鑑賞」をすることにあります。そのため刀を腰に差して歩くことや、公の場で刀を抜くことは絶対に許されません。刀で人を傷つけることも論外です。正しく刀剣を扱って、他人に迷惑をかけないように愛好していきましょう。