太平の世での刀の扱い

江戸時代では、武士による日本刀の使用に厳しい制限をかけていました。納得できるような理由なく刀で人を斬れば、場合によっては切腹というレベルだったので、武士であっても刀を抜く時には死を覚悟するほどだったそうです。

例えば、薩摩藩の武士の子は、育てられる時に「国・主君のため以外に刀を抜いてはならない」と教わります。同時に「もし抜いた場合は、必ず敵の首を取る」とも言われるそうです。

母親の方も、子供が刀を使っていないか厳しくチェックする必要がありました。子供が外に出る時には、刀と鞘とを髪の毛などで結んで刀を抜かなかったかどうかを確認したと言われています。

江戸時代は太平の世と呼ばれるほどの、平和な時代です。人を殺す力のある武器を持つことに対して、相応の意識と覚悟が必要だったと言えるでしょう。