日本刀の物打ちとは

日本刀というのは「物打ち」という部分で斬るのが基本だそうです。ただ、一方でこの物打ちというのはどの辺りなのかというのは明確に示されているわけではないそうです。日本刀には、截断にもっとも有効な「物打ち部を打ち込む」ということが基本とされているそうです。広辞苑によると「太刀などで物を打ち切る時、その物に触れる所、すなわち切っ先から、はばき本へ向かって刀身が広がり始める辺りのところ。切先三寸のところ」となっているそうです。また、他の日本刀の辞典では、横手筋から三寸ほど下の部分のこと、となっていたり、刀身の横手筋から下部へ5,6寸前後の部位を物打ちと称するとあるそうです。どちらも截断に際して、最も使用頻度が高いと記されているそうです。

いろいろと見ていくと、物打ちの位置は横手筋から下部に三寸という説と、横手筋から5〜6寸という説があることがわかるそうです。なお鋒とは、刃の先端部分の横手筋より先の部分をいうそうです。横手筋というのは、鋒と刀身の境界線だそうです。先端から横手筋までの膨ら部分が長大なものを大鋒というそうです。これが短くなるにつれて、中鋒、小鋒と呼ぶそうです。イノシシの首のように短く詰まった鋒は猪首切先といわれているそうです。この物打ち部が明確ではないのが不思議だという人もいるようです。日本刀で戦うということは、命を賭けた戦いになるわけですから、どこで斬るのが一番良いかと、使う人は思うのではないでしょうか。それとも刀ごとに、その一番良く截断する部分が変わるのでしょうか。もしかしたら使う人の腕の長さや踏み込みなどでも変わるのかもしれません。日本刀を使いこなすというのは、そういうことのような気がします。