日本刀を買うためのポイント

実際に日本刀を手に取った場合、その日本刀を買うか、それとも買わないかをどこで判断するのか。この点について愛刀家の意見や体験を参考にするといいでしょう。参考にする人の意見は、ベテランあり、初心者あり、経済力の豊かな人、大衆的な収集家、大都会の人、地方都市の人などさまざまであることを念頭に置いてみていきましょう。

まずはある人は健全さをみます。日本刀は折れず曲がらずよく切れることが大切であり、健全でないものはさける。帽子が満足であるか良く調べる。帽子焼のないものは売るときに買いたたかれる恐れがある。地肌の欠点や研ぎむら、研ぎべり、傷気に注意する。物打ち辺の研ぎべりしているものは姿のくずれがあるからさける。なかごの継ぎはないか、きれいであるか、仕上げ形態が正しいか。生ぶ、磨り上げ共になかごの片方の肉が落ちているものは元銘または偽名を消したものと考える。元銘を消した場合は上位の刀にみせかけるので、十分に注意しなければならない。身幅、重ね、目方、刃区の状態、姿に崩れはないか、キズはないかをよく見る。新刀、新々刀の場合は必ず生ぶ在銘、裏銘のあるものを選びます。生ぶなかごで位低くても銘のたしかなもの。生ぶ、なかご、目釘穴一つを理想ととする。姿と地鉄と焼刃もチェックポイントです。全体に生気と気品が感じられる姿。どっしりとした豪壮な姿や刀の線の流れが美しいもの。地鉄の悪い刀に名刀はないと言われています。

地鉄の鍛えは良好か。焼刃に失敗はないか。匂、沸の状態はどうかを確かめる。刃文が美しいもの。肌が美しく焼刃が深くさえているものなどがいいと言われています。

また、その刀工の掟、特徴の顕著なできものを買う。伝法どおりで判断がたやすいものやその刀工の特徴がはっきりしている刃文のものを選ぶ。刀は必ず定寸であること。変わり出来のものには手を出さないことも重要です。高い刀は、吉野朝期以前の作者で重刀クラスのものを買う。時代の古い刀、位の高い刀を買う上位優秀作を高値で買う。位列よりも出来を見て買う方法もあります。

上工の下作より下工の上作を買います。出来が第一、作者は第二で位列は低くとも出来の優れたものを買う。初心のときは時代の古い一流名工作にあこがれた。今は刀工の位列や時代の新旧にとらわれず、刀工の傑作と思われるものを買う。無名工の力作を買う。偽物も少なく価格も妥当なものが多いからです。在銘と無銘も確認しましょう。無銘の場合、鑑定家によって鑑定がいろいろ変わっていくので在銘ものを買う。位列低くとも健全な在銘の新刀にしぼっている。高名な刀工ほど偽物が多いので、無銘で出来の良いものを求める。無銘に偽物はなし。古刀の無銘に偽物はないと思います。出来が気に入り好みに合えば、銘の有無はもとより、たとえ偽銘があっても気にしません。基本的には刀自体が大切。銘はその次として、無銘刀でも外装、鍔小道具のそろっているものやなるべく生ぶ拵つき。刀身にふさわしい拵がついたものがいいです。白鞘の刀は買わないようにしましょう。認定書、鑑定書付きの日本刀であることは重要です。特に、日本美術刀剣保存協会発行の認定書のあるものがいいです。絶対的な決め手は保存協会の認定書のみです。偽物が氾濫しているから認定書の付いているものを買うようにする。認定書のない在銘品は偽物という先入観を持つことが大切です。たとえ認定書付きでも自分の研究していない刀はさけたほうがいいでしょう。どんな刀でも一応は疑ってみる。認定書や鑑定書はあくまで参考程度にしましょう。

在銘刀の場合は押型を取って刀剣書の銘ぶりや化粧ヤスリの具合などを十分に比較検討してみる。登録証の台帳を調べ、所有者が次々と変わっている刀はさけましょう。

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